時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

三里塚闘争は民主主義の反則か

 本日、成田闘争の反対運動の一環として、三里塚芝山連合空港反対同盟の農民所有地で、反対運動の集会が開かれ、1420人もの活動家が集まったと言います(長崎労働組合交流センター(準備)ブログhttp://blogs.yahoo.co.jp/struggleunioncenter/18168859.htmlより)。果たして、民主主義の国家において、一部の人々が政府の政策を実力で阻止しようとすることは、適切な行為なのでしょうか。

 結論から先に述べますと、三里塚での闘争の方法は、民主主義国家においては反則なのではないか、と思うのです。何故ならば、民主的な選挙を通して成立した政府の政策に対して、それを実力で阻止するとなりますと、これは、明らかに法秩序に対する挑戦となるからです。建前としては、政府とは、一億3千万人の人々の信託を受け政策を実施しており、それを1420人の人々が阻止できるとなりますと、残りの人々の意思は全て無に帰してしまうことになります。極端な言い方をしますと、一人の人の強固な反対があれば、国家の機能は、すべて停止しかねないことになります。これでは、あまりにナンセンスと言えましょう。

 もし、成田空港の拡張や整備に反対するならば、それは、民主主義のルールにのっとらなくてはならないと思うのです。つまり、反対運動を行う集団は、成田空港整備計画の法律の廃止を、政府ならびに国民に言論で訴えるということです。そうして、用地買収の交渉は、政府と所有者のみが行うとし、直接関係のない他の勢力は、この交渉に干渉してはならないと思うのです。民主主義のルールから外れたことが、この闘争の解決を難しくしてしまったのではないでしょうか。

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