時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

裁判員制度導入手順の誤り

 裁判員制度の導入を来年に控えながらも、国民の中には、制度に対する不信感が根強くあるようです。その理由は、裁判員制度の手順を大きく間違えたからなのではないか、と思うのです。

 そもそも、司法の”民主化”なるものへの疑問は別に論じるとしても、まずは、憲法改正を行い、違憲立法の問題を解決すべきでした。現状では、裁判員法が、下級裁判所の裁判官について定めた第80違反に問われる可能性があるのです。第二に、裁判員は、陪審員と異なって、裁判官と同様に法の適用を行います。ですから、裁判員となる国民にも法律の知識が不可欠であって、義務教育の過程において、司法教育を導入する必要があります。司法教育の重要性を考えますと、裁判員制度が実際に運用されるのは、司法教育を受けた世代が成人してしばらく時期を経た後となりましょう。第三に、裁判員制度の導入は、選挙における争点とするか、もしくは、国民投票制を導入し、国民多数の賛意を得ることも、導入に際して取るべき手続きであったと思われます。

 あまりに早急に制度の導入が決定されたため、すべてが準備不足となり、国民にも混乱を招きそうです。国民全員に関わるような制度を導入する場合には、十分な準備期間と適正な手続きを踏むべきではなかったのか、と思うのです。

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