時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

小沢理論の”対称性の自発的破れ”

 民主党の小沢代表は、国連中心主義の主導者として知られています。小沢理論とは、日本国の自衛隊は、国連決議に基づく場合に限り、憲法違反となることなく、海外派兵を行うことができ、軍事力を行使することができる、とする主張のようです。

 しかしながら、小沢理論には、海外派兵と自国防衛との間に、非対称性が認められると思われるのです。国連決議の有無を条件とすれば、常任理事国の意見が一致するケースでは、日本国は、地球の果てまでも、自衛隊を無制限に派遣することができることになります。もちろん、交戦することもできます。その一方で、日本国が、外国から侵略を受けた場合には、国連の名の下で、日本国の防衛に馳せ参じる軍隊はなさそうなのです。何故ならば、中国やロシアには拒否権がありますので、国連決議そのものが成立しませんし、また、国連決議を理由に軍隊を他国に派遣してくれる国など、他にはないからです。

 もし、小沢理論をもって国家の安全保障の柱に据えるとしますと、これは、”対称性の自発的破れ”を日本国が、実践することになるのではないでしょうか。

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