時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮の核廃棄費用を日本国が負担?

 本日の日経新聞によりますと、日本国政府は、北朝鮮の核廃棄の費用を負担する方向で検討に入るそうです。六カ国協議の”バスに乗り遅れるな”の対応なのですが、この負担には、疑問を持たざるを得ないのです。

 まずもって、NPT条約違反を行った国に対して、違反行為をやめただけで”ご褒美”をあげる、というモラル・ハザードもあるのですが、その他にも、

1.核開発資金がありながら、何故、北朝鮮には、核廃棄資金がないのか。
2.技術力を要する核開発を行いながら、何故、北朝鮮には、核を廃棄する技術がないのか。
3.日本国が負担する費用は、本当に、全ての核兵器と核開発計画の破棄に使われるのか。
4.中国の遺棄化学兵器の処理問題のように、不透明な見積もりが行われ、莫大な費用を要求されるのではないか(現在の見積もりでは、寧辺の関連施設だけで580億円・・・)。
5.きちんとモニタリングと廃棄の確認はできるのか。

 といった問題があります。バスの出発を遅らせたから、あるいは、バスに乗り遅れたからこそ助かった、というお話もないわけではありませんので、日本国政府は、慎重に北朝鮮の真意を見極めるべきではないか、と思うのです。

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