時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

移民政策より人材育成を

 最近、移民の送りだし国と思しき中国でも、政府高官が、自国の人材不足を嘆いているといった報道がありました。そこで、はたと疑問に思ったことは、それでは、”外国からの優秀な人材の確保”を目的に掲げた移民政策とは、一体、何なのか、ということです。人材のいないところから、人材を採ろうとしているのですから。

 これは、数少ない人材を求めて、国境を越えた奪い合いが起きることを意味しているのかもしれません。この結果、首尾よく優秀な人材を集めることができるかもしれませんが、反対に、自国の優秀な人材が、外国に流出してしまうかもしれません。手っ取り早くに人材を確保しようとするあまりに、外国から連れてくることばかりに頼りますと、自国での人材育成も衰えてしまいます。また、経済的に豊かではない国では、常に、国家の発展に寄与すべき人材を失い続け、なかなか豊かになれないかもしれません。これでは、移民受け入れ国にも移民送り出し国にも、共に不幸な未来が待っているように思えるのです。

 人材とは、他所から取ってくるものではなく、根気よく育てるものであり、日本国もまた、長期的な展望に立った人材の育成をはかるべきと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>