時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

本能迎合型政治の行方

 最近、”経済危機の原因は人間の本能である”という記事を目にしました。この説は、原始時代から常に欠乏状態にあった人間は、欲しいものを手に入れると脳内のドーパミンが増加し、快感を覚えるという本能を持つというものです。現代に至ってもこの本能は変わらず、借金漬けになってでも、人間は、短絡的な物欲に走るという行動パターンから抜け出られず、本能の為すがままにさせた結果、金融危機を招いたと主張しているのです。

 もし、この説が正しいとしますと、危機というものから逃れるためには、本能を抑制しなければならないことになります。しかしながら、現在提案されている給付金政策などを見てみますと、金融危機を起こしたこの人間の本能に訴えこそすれ、抑制しようとする気配は感じられません。一時的な給付金を支給し、国民に満足を与えれば、それでよいと思っているのですから。しかも、何らの義務も、仕事も果たすことなく・・・。

 諺には、”ただほど怖いものはない”というものがありますが、この言葉は、人間の知恵を伝えているのかもしれません。本能の為せるまかせますと、結局は、人間社会、あるいは、国家の崩壊が待っているかもしれないのですから。人間は、自分自身を直視し、糺すべきと思うのです。

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