時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

田母神論文は反証できるのか

 論理学では、ある説が正しいかどうかを確かめる方法として、反証、つまり、それが事実に反することを示す証拠をあげる、という方法があります。もし、反証することができない場合には、一先ずは、その説は、正しいと見做されます。それでは、田母神論文は、反証することはできるのでしょうか。

 田母神論文については、中国や韓国からの反発に加えて、国内でも、左翼勢力や公明党などからも批判の声があがっているようです。しかしながら、もし、この論文が間違っていると考えるならば、その論文に書かれている内容を一つ一つ吟味し、事実に反することを証明しなくてはなりません。この反証ができませんと、田母神論文を論駁したことにはならないのです。

 この方法は、田母神論文のみならず、歴史の事実を確かめる場合にも用いられます。第二次世界大戦とは何であったのか、という壮大な問いかけは、敗者を悪者と決め付けることは簡単でも、そう易々と結論が出せるような問題ではないのです。そうして、その作業は、資料の公開が始まり、ようやく緒に就いたばかりと言えるかもしれません。先の大戦については、勝者も敗者も、より謙虚で正直であるべきと思うのです。

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