時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

外国も悪用できる国籍法改正案

 昨日の記事では、個人が国籍法の改正を悪用する危険性について述べました。もう一つ、危険性があるとしますと、それは、外国政府による組織的な悪用です。

 国籍法改正案では、母親である外国人女性の国籍は、全く問われていません。母親が、どこの国の国民であっても父親さえ日本人であれば、認知を受けた子は日本国籍を取得できるのです。このことは、一つの安全保障上の問題を提起します。それは、かりに、母親が、国民の基本的な自由や権利が十分に保障されていない国、しかも、国家の統制の強い国となりますと、”偽装認知”が、国際紛争の引き金となりかねない、ということです。外国の政府が背後にあって、自国民を組織的に増加させるなど、現代という時代ではあり得ない、と一笑に付す方もおられましょうが、そうとばかりも言えません。何故ならば、今年の8月に発生したグルジア紛争では、ロシア政府が南オセチア領内の住民にロシア国籍を付与し、この”ロシア人”の保護を名目として軍事侵攻が正当化されたからです。絶対にあり得ない、と言い切れないところが、この問題の深刻な側面です。

 国籍の問題は、とかくに個人の問題と見なされがちですが、もし、日本国の国籍法が改正され、それが、外国によって悪用されますと、国家滅亡への道を敷くことにもなりかねないのです。国会議員の方々は、ぜひ、この点も考慮していただきたいと思うのです。

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