時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国籍法の改悪は内側から鍵を外す行為

 古今東西を問わず、国家滅亡のお話には、敵方と通じて、内側から城門の鍵を外す”裏切り者”が登場するものです。遠の昔に起きた事柄など現在には関係ない、と思われるかもしれませんが、案外、こうした逸話には、後世に伝えるべき教訓が含まれているものです。

 現在、参議院に送られている国籍法改正案にも、多くの方々が既に指摘しているように、国家の安全と独立に対する重大な脅威が潜んでいます。言わずもがな、もし、本法案が成立しますと、無制限に、かつ、合法的に、外国人が日本国籍を取得できるようになるからです。識者の意見には、運用面での取り締まりの強化を図れば、悪用は起きないとする弁明もありますが、国籍法上の”認知”が、家族法と同様に意思主義に基づくとなりますと(意思主義を採用した最高裁判例は、一般性を持たないのでは?)、DNA鑑定という切り札は意味を持たなくなります。つまり、歯止めをかけることは、事実上、不可能となるのです。

 国籍法と家族法との”認知”を峻別し、国籍法に関しては、国籍付与の要件としてDNA鑑定、扶養や同居の事実、親権、あるいは、父親の戸籍への入籍を加えることも可能なのでしょうが、そもそも、この法改正はあまりに拙速過ぎます。本法案については、公明党が率先して動いたとの情報もあり、同党が、国家よりも教団の利益を優先していることを考えますと、なおさらに不安が募ります。国籍法の改悪は、日本国という国の城門を内側から外す行為となりかねず、国家滅亡が現実のものとならないよう、参議院議員の方々は、最大限の努力を払っていただきたいと思うのです。

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