時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

多民族化と国民の知る権利

 アメリカでは、昨年の大統領選挙にあって、オバマ次期大統領がマイノリティ出身であることが選挙結果にどのような影響を与えるのか、大いに関心を持たれたものです。移民国家であるアメリカでは、常々、政治家の背景となる人種や民族といった個人的な属性が注目されるのですが、日本国もまた、様々な国や民族を出自とする”日本国民”が増えるにつれて、政治家の出身民族への関心が高まるのではないか、と思うのです。

 何故ならば、もし、外国から日本国に帰化した人々が、出身国に対する捨てがたいアイデンティティーを保ち続けているとしますと、それが、日本国の政治に影響を与えるかもしれないからです。実際に、外国人に対する地方参政権付与に関する法案については、在日韓国人の団体である民団が強力に法案成立に向けて支援を行っていると言います。帰化した人々もまた、当然に、日本国の政策に対して、出身国に有利な政策を望むかもしれず、特に、領土問題や歴史問題では、この傾向は顕著となりましょう。

 それでは、帰化した日本国民が、政治家として立候補する場合、国民は、帰化の事実を知らなくてもよいでしょうか。もし、政治家の個人的な背景が、国家の命運や具体的な政策を左右することになるとしますと、国民には、知る権利があるのではないか、と思うのです。

 もし、オバマ大統領の父親の出身国が、大国やアメリカに敵対している国であったとしましたら、選挙結果が同じであったか分かりませんが、少なくとも、オバマ氏は、自らの出自を明らかにした上で選挙戦を闘いました。現在、日本国でも、多くの在日韓国・朝鮮人の人々が居住していることに加えて、中国や台湾、フィリピンといった諸国からの日本国籍取得者が増加傾向にあると言います。もし、帰化した人々が、立候補するならば、誠実に自らの出自を明らかにした上で(オバマ氏がアメリカへの忠誠を明言したように、日本国への忠誠を明らかにする・・・)、国民に支持を訴えるべきなのではないでしょうか。

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