時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

開かれた皇室―民間出身のお妃の功罪

 良かれ思って行ったことでも、しばしば、予期せぬ弊害があるものです。開かれた皇室も例外ではなく、民間からお妃を選ぶに際しては、短所となる面にも十分な注意を払うべきであったと思うのです。

 民間からお妃を選ぶことの長所とは、1)皇族と国民との間の血の繋がりを強めることによって、両者の距離を縮める、2)皇室と国民との接近によって、皇室の支持基盤を強化する、3)身分や階級による婚姻差別をなくす、4)遺伝病などが回避できる、5)婚姻関係を広げることにより、優れた資質を皇室に伝える・・・といった点を挙げることができます。しかしながら、その一方で、1)皇室と国民との血統上の差も縮まり、崇敬の念が薄れる(国民と同等となる・・・)、2)配偶者の選択が皇族の私的権利となる、3)お妃に公人としての資質が欠ける(必ずしも優秀とは限らない・・・)、4)皇族がハニートラップに掛かりやすくなる、5)皇室利用を目論む勢力に対して脆弱となる(様々な集団による政治利用のチャンスが広がる)、6)一たび自由結婚が許されると、制限を設けられなくなる、といった欠点が認められるのです。

 皇族方が上手にお妃を選ぶことができ、かつ、国民も、その人となりや外戚などについて十分に知ることができれば、それ程の問題は起きないのかもしれません。しかしながら、お妃選びに失敗しますと、民間から選ぶことの長所を全て打ち消してしまうことになるのです。それどころか、一部の勢力と結びつけば、皇室そのものの存立基盤を揺るがすことになりかねません。民間からお妃を選んだ以上は、その短所を最小限にすべく、情報公開などの義務を果たすべきと思うのです。

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