時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮代議員選挙―民主主義には自由が伴う

 昨日、北朝鮮でも人民会議の代議員選挙が実施され、ほぼ100%の賛成票をもって候補者が全員当選したと伝えられています。独裁国家であっても選挙制度はあるわけですが、このことは、民主主義には自由が伴うことを端的に示していると言えましょう。

 独裁国家では、選挙での投票とは国民の権利ではなく、義務を意味しています。もし、国民がこの義務を怠ろうものなら、逮捕されたり、強制収容所に送られるという悲惨な結果が待っているかもしれません。反対票を投じようものならば、国家反逆罪と見做される可能性さえあります。イラクの旧フセイン政権にあっても、同様の選挙が実施されていましたが、選択する自由のない体制にあっては、選挙とは、国民に対する強制でしかないのです。

 民主主義が、国民のためにその価値を発揮するには、国民に、政治的な自由が保障されていなくてはなりません。自由なき民主主義は、意味がないのです。もっとも、自由主義国家にあっても、特定の集団や教団の言いなりで投票している人々は、自由と民主主義を無駄にしているのかもれません。

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