時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国連が無力な現実

 北朝鮮が、人工衛星を名目としてミサイル実験に踏み切ったとしても、国連安保理では、拘束力のない議長声明しか出せない見通しとのことです。その背景には、拒否権を持つ中国の存在があるのですが、この一件は、国連が無力であるという現実をまざまざと見せつける事件となりそうです。

 そもそも、日本国憲法は、国連によって国際の平和が保たれること、すなわち、たとえ侵略国や無法国家が現われても、国連が”警察官”の役割を果たしてその危険を排除することを前提として書かれております。とかく議論の的となっている憲法第9条も、オールマイティの国連あっての条文であり、この前提が崩れるとなりますと、事情が変化することになりますから、当然に見直しを行う必要が生じます。憲法第9条は、日本国を守ってはくれないのです。

 もし、この一件が、安保理の議長声明の公表のみで終わるとなりますと、北朝鮮は、さらに行動をエスカレートさせる可能性もあります。かつてヒトラーは、自らの運命の破滅にドイツを道連れにしたと言われていますが、健康不安は、北朝鮮のトップを自暴自棄の行動に走らせるかもしれません。日本国政府は、国連が無力であるという現実を直視し、万が一に備えて万全の準備を整えるべきと思うのです。

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