時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

女子差別撤廃条約議定書―国際機関の判断は正しく公平?

 女子差別撤廃条約選択議定書の批准をめぐっては、その危険性を指摘する声が既に挙がっているようです。国籍法改正の際には、最高裁の問題判決が国会に法改正を迫りましたが、本議定書が批准されますと、今度は、本条約の委員会が、判断が我が国の法律に改正を要求することになるかもしれません。

 ところで、女子差別撤廃条約では、加盟国が国民の中から指名した専門家の候補者の中から、23人が加盟国の会合で選出されるとされています。委員の構成は、異なる文明や主要な法体系が代表されるように配慮されるとされていますが、はたして、この選び方で、”裁判官”としての中立性や公平性を確保することはできるのでしょうか。異なる文明や法体系を含めるとする限り、男女の不平等を認めるイスラム法が含められる可能性もありますし、何をもって代表すべき文明とするのか、という議論も起きそうです(ハンティントン氏の分類によりますと、日本国は、一国で文明を形成していることになります・・・)。

 とかくに、国際機関の判断は正しいと見做されがちですが、組織の構成を見る限り、必ずしも、中立的で公平とは言えないようです。しかも、男女の平等の表現方法や捉え方は、民族や宗教によって大きく違いますし、家族法などの分野は、国民意識が強く反映されている分野でもあります。こうしたセンシティヴな領域に国際機関が関わることが適切であるとは思えず、内政干渉の経路になるかもしれないと心配するのです。

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