時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

敵基地攻撃―ミサイル配備は侵略未遂罪?

 ある国が他国を攻撃するためにミサイルを基地に配備し、発射準備を始めた場合、ミサイルの照準が定められた国が、ミサイル基地を攻撃できるのか、否か、という問題は、何時の時点をもって侵略行為の着手と考えるのか、という問題を問うことでもあります。ミサイル配備と発射準備は、侵略の着手と見なしてもよいのではないかと思うのです。

 刑法でも未遂罪というものがあり、実際に犯罪の実行しなくても、着手した時点で罪が成立します。特に、安全保障問題である外患については、外患誘致や外患援助は未遂であっても罰するとしていますし、予備や陰謀についても懲役刑を定めています。同様に、侵略行為を国際法上における犯罪行為と捉えるとしますと、他国への一方的な攻撃を目的としたミサイル発射準備は、侵略の未遂罪として理解することできそうなのです。

 未然に侵略を防ぐための行為としての敵基地攻撃は、先制攻撃ともなるため、当然に先制側が侵略者であるとする議論もあります。しかしながら、ミサイルが着弾してからしか反撃できないとしますと、自国民をみすみす見殺しにすることになります。この問題、大いに議論すべきと思うのですが、いかがでしょうか。

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