時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮問題は時間との闘い

 北朝鮮は、本日、核兵器製造用のウラン濃縮着手を表明しました。この外務省声明で述べられた”技術開発が順調に進み、試験段階に入った”との文言から考えますに、北朝鮮問題の解決に残された時間は僅かしかないのではないかと思うのです。

 声明に見られる”試験段階に入った”という言葉が事実であれば、現状では、まだ核弾頭の小型化に完全には成功していないことになります。三度目の核実験が予測されているのは、おそらく、小型化技術を完成するためには、さらなる実験を要するからなのでしょう。北朝鮮のメンタリティーを考慮しますと、国連の制裁決議への対抗というのは、核実験を行う口実であるかもしれず、制裁があってもなくても、北朝鮮が、核兵器を手にするという野望を捨てるとは思えないのです。

 国際社会は、残された時間が少ないことを自覚し、早急に体制を揺さぶるほどに制裁を強めませんと、取り返しのつかないことになると予測されるのです。解決を引き延ばしにしても時間は解決してはくれず、むしろ、北朝鮮が小型化技術を確立するまでの、時間との闘いとなるのではないでしょうか。

*訂正
 ウラン濃縮型の核兵器の製造は技術的には難しいのですが、核実験は必要ないとのことです。一方、プルトニウム型の場合は、技術的な難易度は低いのですが、核実験を要するようです。どちらの方式にしても、北朝鮮は、現段階では、まだ、核弾頭の小型化には成功してはいないようです。

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