時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ウイグル人弾圧―トルコ政府は擁護者に

 中国政府によるウイグル人弾圧に対して、G8が冷たい対応を見せたことは、ウイグルの人々の将来に暗い影を投げかけるものでした。こうした中で、トルコ政府のみが、果敢に中国政府を激しく非難したというのです。

 東トルキスタンに居住するウイグルの人々は、オアシスに定住したチュルク系に属する民族であり、地理的な隔たりはありながらも、トルコの人々とは同族と言えます。トルコ政府の非難には、同族の民族に対する迫害への怒りと抗議が込められており、中国政府の行為は見過ごすことはできないと判断したのでしょう。少数民族が迫害を受ける場合、後ろ盾が存在していませんと、さらに虐待がエスカレートするものです。トルコ政府が、人道的な介入を根拠として、ウイグル人を擁護する役割を果たすことができるならば、民族浄化とも表現すべき中国政府の行動を抑制することができるかもしれません(中国国内では、トルコへの非難がネット上で高まっているとそうなのですが、外部からの牽制は大きな意味を持ちます)。

 今後は、トルコ政府が動き、国際社会をはじめ、アメリカで設立されている「東トルキスタン亡命政府」や「世界ウイグル会議」にも働きかければ、中国政府との交渉窓口となる組織をつくることもできるかもしれません(現在のところ、東トルキスタン亡命政府を承認する国はないよう・・・)。国際社会は、非人道的な行為に目を瞑ってはならないと思うのです。

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