時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国際緊急警察隊は中国に派遣できるのか?

 民主党は、新たな国際協力の枠組みとして、国際社会に「国際緊急警察隊」の設立を訴えてゆくと報じられております。この治安維持部隊、果たして非人道的行為が繰り返されている中国に派遣することができるのでしょうか。

 チベット弾圧とともに、東トルキスタンでのウイグル人弾圧事件は、現代史に汚名を残す悲惨な事件として記憶されることになりましょう。そうして、このことは、常任理事国による非人道的行為への対応は、現在の国際社会が抱える重大な問題の一つであることを如実に示しているのです。民主党案では、国際紛争の初期の段階でこの部隊を投入するとありますが、国際紛争となりますと、安保理に決定権がありますし、中国は、拒否権を持つ常任理事国の一国です。しかも、対象を”国際紛争”と定義しますと、中国政府は、国内問題と言い張る可能性もあります。むしろ、この言い訳を封じるために、”国際紛争”および”国内における重大な非人等的行為”としたほうが、派遣の範囲が広がります。

 現実に非人道的行為が繰り返されている中国に派遣できないような国際部隊をつくっても意味はなく、民主党は、中国を説得すべきと思うのです。中国が適用除外では、実効性に乏しいと言わざるをえないのです。

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