時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

不起訴が送る悪しきシグナル

 あろうことか、薬物犯として逮捕された酒井容疑者は、不起訴になる可能性が報じられています。もし、このことが事実であるとすれば、日本国の社会に対して悪しきシグナルを送ることになるのではないでしょうか。

 それは、(1)覚せい剤を使用しても、微量であれば許される、(2)体内から反応が出ないならば起訴されない、(3)吸引道具のDNA鑑定は証拠とならない、(4)目撃者の証言では立証できない・・・というシグナルであり、これらのシグナルは、麻薬に対するハードルを低くする方向に働きます。つまり、検察当局が、国民に対して”少量ならば使用してもよい”といっているようなものなのです。麻薬の怖さは、人の精神を蝕むことであります。理性的で健全な判断ができなくなるのですから、麻薬が蔓延れば、治安の悪化は必至となります。しかも、使用しているのが芸能人となりますと、当人の常軌を逸した行動が、ブラウン管などを通して一般の国民にまで悪影響を与えることになるのです。

 メキシコでは警察対麻薬組織との間の”麻薬戦争”が発生し、国家の土台を揺るがす事態にまで発展しています(警察側にも麻薬組織との繋がりがある人物もいて解決が困難・・・)。麻薬は、個人のみならず、国や社会までをも崩壊させる作用があるのです。間接的に麻薬の危険に晒されている国民は、麻薬撲滅を強く訴えるべきであり、もし、検察が不起訴処分としましても、検察審査会にかけるべきなのではないかと思うのです。

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