時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党”独裁”で恐れるべきは”独善”

 与謝野財務相が、民主党独裁を懸念した発言をさらたことが話題となっているようです。この発言に対して、自民党も”独裁”ではなかったのか、という非難の声も上がっているようですが、民主党の”独裁”には、理想の追求につきものの”独善”という特徴があると思われるのです。

 イデオロギー型の政党には、政策決定に際して、人々の意見に耳を傾けるというよりも、イデオロギーが示す原理原則を基準として判断するという特徴があります。共産・社会主義国が、本質的に民主主義と相いれないのは、判断基準を国民に求める必要がないからです。全ては、イデオロギーが教えてくれるのですから。選挙予想通りに民主党が圧倒的な勝利をおさめて政権与党となった時に心配すべきは、この頑なな教条主義的な態度です。国民多数が反対する政策や法案であっても、自らが信奉するイデオロギーに合致していれば、それを数の力で押し通してしまいそうなのです。

 ”独善”が生み出す悲劇を人類は数多く経験してきたのですから、民主党には、常に自らの”独善”をチェックし、国民から乖離しないよう、気を付けていただきたいと思うのです。国民のためを主張するならば、現実にこそ直視しなければならないのですから。

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