時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東アジア共同体は隷従への道

 民主党は、東アジア共同体の建設をマニフェストに謳っているようです。しかしながら、チベット東トルキスタンで起きたことを考えれば、この枠組みは、加盟国にとって、中国への隷従の道になりかねないのではないでしょうか。

 そもそも、この東アジア共同体なるものは、得体のしれない計画であり、明確な像を結ぶことができません。将来的には安全保障の枠組みを形成したいようですが、これにも相当の無理があります。何故ならば、日本国の最大の安全保障上の脅威は中国であるからです。中国から侵略を受けた場合、日米同盟が弱体化すれば、自力で戦うか、軍事力に屈するかしか道はありません。鳩山代表は、日米同盟の強化にも、自衛力の強化にも反対なのですから、最もあり得る展開は、中国の軍事力に屈して隷従化するという道です。国連が救ってくれるのではないか、という期待もありましょうが、中国が拒否権を持つ常任理事国なのですから、国連が日本国を救いの手を差し伸べることはありません。また、東アジア共同体の機構に、加盟各国が安全保障上の権限を移譲するとなりますと、それは、中国に政策権限を譲り渡すことを意味するかもしれないのです。

 日本国には、弾圧を受けるチベット東トルキスタンの人々を救うことができず、歯がゆい思いをしている人々もおります。その上、東アジア共同体なるものが形成されますと、日本国は、独立主権国家として、中国に対して圧力をかけ、意見することもできなくなるかもしれないのです。”東アジア共同体”が、かつてソ連邦が支配した”東側ブロック”となる危険性に、十分気を付けるべきと思うのです。

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