時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

子供手当は景気浮上策にならない?

 民主党政権が掲げている子供手当は、家計の支出を増やす景気浮上策とも説明されています。しかしながら、いくつかの点から、景気浮上の効果は限られていると推測されるのです。

(1)所得移転政策であること
 子供手当の財源は、配偶者や扶養者控除の廃止とセットとなっていますので、子供さんがおられる家庭では、消費は増加するかもしれませんが、増税となる家庭では、反対に消費が減少します。差し引きゼロとなりますと、大きな景気浮上効果は期待できそうもありません。

(2)給付額が低いこと
 子供手当は、満額ですと一人当たり2万5千円になるそうです。この額では、自動車や家電といった、現在、輸出不振で不景気に苦しんでいる産業にとっては朗報にはなりません。生活関連の製品に消費されるとしますと、むしろ、廉価な輸入品が伸びる可能性もあります。

(3)市場牽引力に乏しいこと
 もし、温暖化ガス削減目標に合わせて、環境製品の市場を拡大させようとするならば、子供手当では効果は薄くなりそうです。日本国の経済の浮上を考慮しますと、新たな製品分野での消費の増加が望まれます。

 子供手当には、6兆円とも言われる財源を要するのですから、景気や政策全体との整合性を考慮して、より効果的な方法を編み出すべきとも思うのです。

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