時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中川昭一元財務・金融相の逝去を悼んで

 中川昭一元財務・金融相が突然亡くなられたというニュースは、国民に驚きと悲しみをもって迎えられました。ローマでの泥酔会見事件の報道や衆議院選挙での落選が、心理的な負担になったことは想像に難くありません。

 ところで、警視庁の発表によりますと、中川氏の死因には事件性はないということのようです。その一方で、インターネット上には、事件性を疑う意見や、自殺ではないかとする書き込みも多数見受けられ、国民の間に、ある種の不安と懐疑が広まっていることを示しています。暗殺説に至っては、氏が保守派の論客であったことから、中国、北朝鮮、韓国、ロシア、アメリカCIA・・・といった様々な憶測が飛び交うほどです。政治家の方が亡くなりますと、国民は、どうしても政治的な理由による暗殺や自殺を疑ってしまうものです。氏の健康状態はすぐれず、病気が原因ということも大いにあり得ることなのですが、国民の不安を取り除くためにも、警視庁の方々には、ぜひ、詳細な調査をお願いしたいと思うのです。

 ローマでの泥酔会見事件はありましたが(この事件にも陰謀説が・・・)、氏の政治姿勢は、日本国に対して常に誠実であったように見受けられました。政治家としての道半ばで逝かれた氏の無念を思い、ここに、中川昭一氏のご冥福を心よりお祈り申し上げる次第です。