時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

多文化共生社会は自治区の容認?

 先日、朝日新聞社が、多文化共生社会を根拠に、定住外国人への地方参政権付与を支持する論説を掲載した言います。多文化共生社会とは、複数のエスニック集団が、それぞれある一定の地域に集住して共存する状況を意味しますので、地方参政権を認めることは、日本国内における自治区の成立を承認することになるのではないかと思うのです。

 池袋では、チャイナ・タウンの問題が地域社会を二分する議論となっているようですし、新大久保でも、既に大規模なコリア・タウンができているようです。こうした地域には、一般の日本人の人々が住むことがなかなか難しくなっており、いわば、外国人の集住地域と化しています。多文化共生ともなりますと、中国や韓国のほかにも、世界各地からエスニック集団を受け入れることになりますので、日本国内では、生活習慣や言語の異なる多様な集団が各地に出現することになりましょう。この状態で、定住者に地方参政権を付与するとなりますと、地方参政権は、集住地域の自治要求と結び付く可能性があります(地域主権となれば、なおさらのこと・・・)。つまり、日本国は、自らの領域を全てのエスニック集団に開放することになるのです。

 この政策の行き着く先には、日本人集団もエスニック集団の一つとなり、日本国の領土も、やがて自治権を認めらた複数のエスニック集団に分割されてしまうかもしれません(それとも、日本人は先住民として保護の対象となるのでしょうか?)。しかも、日本人集団以外の全てのエスニック集団には、本国政府が後ろ盾として控えています。多文化共生の思想は、耳さわりの良い響きがありますが、その実、その国を作り上げてきた人々の、歴史的な権利を無視しているのです(民族自決権も含めて)。もし、誰もが、どの国にでも自由に移住できるならば、侵略も問われなくなります。日本国を築いてきたのは日本人なのですから、自国における文化における優位は認められるべきですし、当然に、主権や領土に対する権利も守られるべきでと思うのです。定住外国人への参政権付与法案は、日本国の分割を引き起こす危険性を孕んでいるのではないでしょうか。

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