時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

優れた仕分け人なら成長の芽は残すはず

 現在、民主党政権下で行われている”むだ”な予算削減のための仕分け作業は、世論調査によれば評価が高いとされながらも、科学技術関連予算の相次ぐ削減には、相当の非難もあるようです。本日も、ノーベル賞受賞者である野依博士が、スーパー・コンピューターを凍結としたことに対して、痛烈な批判を行ったとの報道がありました。

 仕分け作業が非難を受けるのも、”むだ”の判断基準が曖昧である上に、政治家は、あらゆる分野の専門家でもないからなのではないかと思うのです。もし、日本国を技術立国としてさらに成長させ、将来において、画期的な技術やシステムを生みだす知性牽引型の産業モデルを志向するならば、科学技術分野、とりわけ、先端技術分野の予算削減はあり得ないはずです。樹木の剪定作業でも、いらない枝葉は除いても、成長の芽をわざわざ摘むことはしません。仕分け作業で、次から次へと芽を摘んでゆけば、樹木もやがて枯れてしまいます。

 仕分け人による結論には、法的拘束力はないそうですが、それでも、予算編成のたたき台になるのでしょうから、誰もが関心を寄せざるをえません。民主党政権には、”むだ”の判断基準を国民に示す説明義務がありますし、仕分け人の方々にも、事業の長期的な成長力と貢献度を読む卓越した洞察力が求められると思うのです。

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