時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

仕分け作業から民主党の方針を読む

 行政刷新会議が、国民に対して充分に説明責任を果たしているかと言いますと、そうではないようです。説明がない以上は、国民は、仕分けの結果から、民主党の削減方針を読まなければならいと思うのです。

 報道されている結果から見ますと、民主党が削減対象とした事業には、幾つかの特徴が見られます。まず第一に、スーパーコンピュータ予算の削減シーンが国民に強く印象付けたように、新しい技術や競争を通した発展を忌避する姿勢を挙げることができます。この姿勢は、科学技術関連の予算削減のみならず、全国学力テストの縮小方針にも見られ、目標に向かって、真摯に努力する行為が嫌いなようなのです。第二に、自国を大事にする気持ちが薄いことです。米軍への思いやり予算のみならず、自衛隊の募兵宣伝の予算も削減対象となったと報じられています。さらに第三として、民主党支持者の利益保護も加えることができるかもしれません。日教組の影響力か、教職員の給与などについては、仕分けの議論とはならなかったようです。

 結局、民主党の目指す国家像とは、国民の多様なニーズに合わせてきめ細かな政策や事業を実施していくというよりは、子ども手当などの再分配政策を中心とした配分マシーンとして描けます。もしかしますと、このヴィジョンでは、時間が停止しているのかもしれません(成長も発展もない・・・)。

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