時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

仕分け作業―予算の組み替えに過ぎないのでは?

 歳出の”むだ”をなくす、という政府の基本的な方向性そのものについては、国民の多くに異論はないはずです。しかしながら、”むだ”を削って新たな事業を始める、ということならば、仕分け作業は”むだ”の削減作業ではなく、予算の組み替え作業に過ぎないのではないかと思うのです。

 民主党政権事業仕分けの主たる目的は、財政の健全化ではなく、マニフェストに記載した政策の財源を確保することにあります。仕分け作業の結果が、危機的な財政状況を改善させることはありませんし、民主党政権は、財源を確保できない場合には、国債の増発に訴える構えのようなのです。国債の増発には、入札に応じる金融機関が現れず、また、値崩れや長期金利の上昇を招くリスクもあり、日本経済にマイナス影響を与えることは目に見えています。

 結局、”むだの削減”というスローガンは国民受けがよいのですが、その実、新たな”むだの創出”であるならば、全く意味がありません。長期的な視点から見ますと、財政再建の方が、新たな”ばらまき政策”を行うよりも、遥かに重要性が高いと思うのです。

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