時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

指揮権発動の行くも地獄帰るも地獄

 民主党小沢幹事長は、明日、いよいよ事情検察の聴取に応じると報じられています。この件について、民主党政権は、捜査の行方を見守る方針とのことですが、指揮権発動は、行くも地獄、帰るも地獄なのではないでしょうか。

 もし、指揮権を発動するとしますと、国民の多くは、小沢幹事長の嫌疑は事実であったとみなすことでしょう。つまり、政府が、犯罪容疑者を匿ったと判断し、民主党政権への信頼は地に落ちることになります。また、政府による検察への介入は、民主主義国家では禁じ手ですので、この禁を犯した場合の国民の反応は、予想以上に厳しいのではないでしょうか。

 一方、指揮権を発動しないとしても、小沢氏が起訴されるとなれば、民主党政権は、やはり苦し立場に追い込まれます。「陸山会」の土地取引をめぐる資金の不透明な流れの他にも、小沢氏には、数々の疑惑がありますので、こうした事実が明るみに出れば、民主党のダメージは避けがたくなります。

 民主党にとっても最も望ましいシナリオは、小沢幹事長が潔白無実と言うことなのでしょうが、一度崩れた信頼性の回復は容易なことではありません。小沢氏の剛腕によって政権の座を得た民主党は、今、その小沢氏によって窮地に立たされているように見えるのです。

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