時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日中歴史共同研究の成果は中国の本音を引き出したこと

 昨日、日中歴史共同研究の報告書が公表され、日中間の歴史に関する認識の相違があらためて浮き彫りになる結果となりました。この相違点を注意深く見てみますと、どうやら、そこには、中国の野望が隠されているようなのです。

 何故かと申しますと、双方の見解に隔たりのある個所とは、どれも、国家の独立性や領土問題に密接に結びつく部分であるからです。中国側は、何を根拠としてか、古代において冊封を受けていたと主張していますが、これは、我が国を属国としたいという願望の現れであるのかもしれません。また、沖縄についても、冊封体制にあったものを日本国が横取りした、との見解を示しています。この見解にも、中国側による沖縄に対する権利主張が透けて見えます。近現代史のみならず、古代史においても、中国側が目ざとく覇権の拡大を狙う姿勢が伺えるのです。

 日中歴史共同研究の成果とは、もしかしますと、史実の解明ではなく、中国側の本音を白日のもとに晒したことにあるのかもしれません。わざわざ歴史の事実を曲げることには、必ずや、それなりの動機があるものなのですから。日中歴史共同研究は、日中間の互恵関係の構築を目指して発足しながら、結果として我が国の中国に対する警戒感をさらに高めることになったのではないでしょうか。

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