時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

クラスター爆弾禁止条約と憲法第9条

 クラスター爆弾禁止条約は、我が国を含む三十カ国の批准を得て、今年の8月に発行することになりました。この条約と憲法第9条、両者の間には、どこか類似点があるのです。

 どのような類似点であるかと申しますと、それは、クラスター爆弾を破棄した後の国家の安全が、必ずしも保障されていないことです。現在、我が国は、急速に拡大する中国の軍事力の脅威にさらされていますが、クラスター爆弾は、長い海岸線を持つ日本列島への敵軍上陸を阻止する有効な手段とされてきました。この条約には、中国、ロシア、アメリカといった大国が加盟していないため、クラスター爆弾禁止条約が発行しますと、防衛力が低下すると共に、有事の際には、我が国の民間人が、人民解放軍によるクラスター爆弾の攻撃を受ける可能性もあるのです。自国の防衛力が弱体化すと同時に、相手の攻撃力が増強されるのですから、これは、不公平です。もし、同盟国のクラスター爆弾の使用が許されているのであるならば、我が国は、米軍に頼るしかありません。

 特定の武器の使用を禁止する条約は、全ての国が参加しませんと、不公平な状況が出現します。この条約の発効は、全ての国の参加を待ってからか、あるいは、破棄した国の安全を保証する方法が確立されてからの方が、適切であったと思うのです。

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