時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党政権が高等学校に拘る理由は何か?

 民主党政権では、高等学校の授業料の無償化を実施すべく、細則の検討に入っているようです。しかしながら、教育というものを長いスパンで見ますと、高等学校の無償化に拘る必要はないのではないかと思うのです。

(1)中卒への配慮
 長期にわたる技術の伝授と訓練を必要とする専門的な職業は、なるべく低年齢から始めた方がよく、高等学校に進学する理由はそれほど高くはありません。また、勉学がどうしても苦手な人々にとりましても、無理に高校に進学しなくとも、中学卒業後に就職するほうが望ましい場合もあります。中卒で就職した人々が働いて納める税金から、高等学校の授業料が支払われるとなりますと、何か、バランスを欠いているように思えるのです。

(2)大学進学の支援
 経済的な理由によって進学を諦めるケースは、高等学校のみならず、大学進学に際しても見られる現象です。親の経済力に関係なく、一律に高等学校の授業料を無償化するよりも、大学進学の支援に予算を割いた方が、長期的には予算が有効に使われることになります。

(3)生涯学習の促進
 変化の激しい時代についてゆくには、新たな知識の習得が必要な場合もあります。学校や大学を卒業した社会人にも教育の機会を広く開くことができれば、先端の知識に触れることで柔軟な発想が生まれ、経済の活性化にも役立つかもしれません。

 国民の多様性を考慮しますと、一律に高等学校の授業料を無償化するよりも、我が国の知的な力を底上げするような効果があり、かつ、きめ細やかな政策手法があるのではないかと思うのです。

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