時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

非核三原則―被爆国は安全か?

 昨日、日米各密約を報じるニュースのなかで、被爆地である広島の方へのインタヴューを真っ先に放映していました。インタヴューを受けた方は、唯一の被爆地であるからこそ、我が国は、被爆三原則を守るべきとする旨の発言をなさっておられましたが、被爆地といえども、核攻撃から安全とは言えないように思うのです。

 原爆の悲惨さは言うまでもなく、誰もが核兵器の廃絶を望むものです。しかしながら、現実には、核兵器を開発・保有し、核ミサイルの照準を隣国に合わせている国は実際に存在しています。中国の核弾頭保有数は増加していますし、北朝鮮の核開発は、安全保障上の脅威となりつつあります。核兵器を脅迫や軍事目的での使用を想定している国が、我が国が被爆地であることに配慮して、核攻撃の対象から外すとは思えないのです。

 非核三原則は、我が国が唯一の被爆地であることに鑑みて制定されましたが、この原則が、必ずしも我が国の安全を保証するものではないことは明らかです。再び我が国が被爆地とならないためにも、安全保障の脅威が高まる現実を直視した対応が必要なのではないかと思うのです。

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