時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

捕鯨問題―保護されるべき動物の基準とは?

 近年、捕鯨反対を訴えてきたシーシェパードの活動が過激化し、ついに刑事事件に発展しそうです。ところで、人権の場合には、ホモ・サピエンスという同一の種に属することが擁護の理由となり、誰もが納得するところなのですが、特定の動物を選んで国際的に保護するとなりますと、そこには、一定の基準が必要になります。

 この基準、それぞれの文化によって神聖、あるいは、価値が高いと見なす動物に違いがありますので、国際社会でなかなか合意点を見出しそうにありません。ヒンドゥー教徒にとりましては、神聖なる牛を食用にすることなどもってのほかであるかもしれませんし、中国の食材には、食用とは考えられない動物も数多く含まれているそうです。鯨やいるかについては、知能が高いということが理由とされていますが、牛や豚と比較して、どれほど知能が高いのか、証明されているわけでもありません。

 動物保護の運動は、それぞれが勝手な基準で行動しますと、相互に相手の文化を”野蛮”として非難し、攻撃するという泥沼に陥ります。同じ命がけで行動するならば、まずは、人権侵害問題を起こしている国に対して抗議すべきではないかと思うのです。

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