時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”友愛”は最も危険な政策

 ミュンヘンの融和が歴史の教訓として語られているように、融和政策=”友愛”とは、最も安全な政策なようで、最も危険な政策なのではないかと思うのです。

 人は誰でも、相手方に妥協して譲歩すれば、相手もこれに満足して、それ以上は望まないと考えがちです。しかしながら、相手国が覇権を求めている場合には、譲歩は、覇権拡大の絶好のチャンスを相手側に与えることになり、むしろ、強硬な政策を誘発する原因となるものです。期待とは裏腹に、自らをより危険な状況に追い込む結果を招いてしまうのです。案の定、沖の島での中国海軍の示威行動で示されたように、中国は、常識の範囲をゆうに超え、本気で太平洋の制海権の掌握に乗り出すようになりました。

 友愛を唱えれば唱えるほど、安全保障の危機が高まるという現象は、無視できないように思えます。このままでは、取り返しのつかない事態に発展するのではないかと危惧するのです。

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