時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

英国総選挙―二大政党制と小選挙区

 本日、英国下院選挙の結果がおよそ判明し、過半数には達しないものの、野党保守党が第一党となるそうです。第三極として台頭してきた自由民主党ですが、前評判にもかかわらず、議席数は60台と、二大政党の6分の1ほどにとどまる模様です。

 二大政党優位のこの結果は、小選挙区制が大いに影響していると考えられます。わずかの差でも、最大得票を獲得した政党が唯一の議席を独占しますので、自由民主党のように、支持率では二大政党に接近していても、トップの座を得るには力不足の政党には、不利に働くことになります。もちろん、保守党も労働党も、単独で過半数を確保できませんので、連立政権にあって、自由民主党がキャスティング・ボートを握ることはあり得ますし、今後、さらに勢力を伸ばすことができれば、小選挙区制でも、議席を増やすことができるかもしれません。しかしながら、今回の選挙結果は、あらためて、二大政党制と小選挙区制との親和性を示したとも言えます。

 一方、我が国でも、昨今、小党が乱立するようになりましたが、これは、小選挙区制が導入されていない、参議院選挙を想定してのことと考えられます。二大政党への収斂どころか、その逆の方向に向かいつつあることを考えますと、選挙制度そのものの見直しも急務かもしれないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/link.php?626231">人気ブログランキングへ</A>