時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

現代の遣唐使は漂流しないのか

 上海万博に向けて、民間の財団法人が企画した遣唐使船が、出航したとするニュースが流れているようです。奈良時代にあって、遣唐使船は、漂流したり、難破したりすることが多々あったのですが、現代の遣唐使船の運命は、如何なることになるのでしょうか。

 東シナ海を渡るに際しては、現代の遣唐使船は、貨物船で引かれていくようで、難破する可能性はゼロに近いのかもしれません。しかしながら、日中両国での反応は未知数です。主催者側は、日中両国の友好の印として遣唐使船を派遣したのでしょうが、仮に、中国側が、それを”朝貢”や”服属”の印、あるいは、自らを文明の高みに置く道具とされるならば、日本国側での反感も予測されます。

 民間プロジェクトとは言え、中国が、覇権主義的な軍拡を続ける微妙な時期に、遣唐使船を派遣することは、日中間にさざ波を立て、政治的な漂流をもたらすかもしれないのです。

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