時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

スポーツ選手の参院選擁立―政党の意識改革こそ必要

 我が国が、内外の環境の急激な変化を受けて、政治的にも、経済的にも、極めて難しい状況にあることは、政治家が、最もよく知っているはずです。にもかかわらず、参議院選挙の候補者の顔ぶれを見ますと、政治家には、危機感がないか、それとも、新人候補者を自らの”チルドレン”としたいのかの、どちらかとしか思えないのです。

 たちあがれ日本の中畑氏に続いて、民主党でも、柔道の谷氏を候補者として擁立するようです。知名度を利用することが、政党としての戦術なのでしょうが、この方針は、国民の失望を買うかもしれません。何故ならば、現在、国民が求めている政治家とは、動揺する国家を立て直し、危機に的確に対応することに長けた実務家タイプであると考えられるからです。スポーツとは、身体能力を問われる分野ですし、もちろん、ライバルに勝つという側面では、スポーツにも知略が必要です。しかしながら、政治とは、相手を倒したり、勝つことばかりが要求されるわけではなく、有効かつ実現可能な政策を立案し、利害調整や合意形成をはかることも重要な仕事なのです。

 安易にタレントやスポーツ選手の知名度に頼ろうとする意識を政党がもっている限り、我が国の政治の不安定化とレベルの低下は止みそうにありません。何よりまず、政党の意識改革こそ、必要なのかもしれないのです。

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