時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

一票の格差より酷い候補者格差

 一票の格差は、選挙の正当性さえ左右する大問題なのですが、国民の選択肢の平等を考えますと、選挙区ごとの候補者格差もまた、一票の格差に負けず劣らず、酷い不平等があると思うのです。

 現在、我が国の政界は、政党が乱立模様であり、政党間のめまぐるしい離合集散に、国民は戸惑うばかりです。こうした状況にあっては、政党間の選挙協力や小党の人材や資金不足により、各政党は、全国すべての選挙区に候補者を立てることは困難となります。このため、選挙区間において、国民の選択肢に大きな違いが生じてしまうのです。例えば、私は、神奈川6区の住んでおりますが、次期総選挙での候補者が所属している政党は、民主党公明党共産党みんなの党の4者です。自民党は、公明党と協力関係にあるものの、公明党は、独自の政策綱領を掲げていますので、事実上、この選挙区には、保守政党とされる政党は存在しないことになります(全て反日的な政党…)。おそらく、こうした問題は、神奈川6区に留まらないはずです。

 小選挙区と多党制との組み合わせには、有権者の選択肢が不平等となるという重大な問題点があります。政治家は、選挙に際しては、国政改革を力強く訴えていますが、民主主義の根幹に関わる選挙制度上の欠陥こそ、真っ先に改善していただきたいと思うのです。

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