時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”コネと運”―競争否定のパラドクス

 最近の調査結果によりますと、若い世代ほど、世の中は、”実力”ではなく、”コネと運”であると考える比率が高くなる傾向にあるそうです。この傾向は、いったい、何を意味しているのでしょうか。

 もちろん、企業の新卒採用の慣行が、就職浪人となった若者に挫折感を与えているという側面もありましょうが、実は、競争をしない社会とは、コネと運が支配する不平等社会となるパラドクスが現れているのかもしれません。競争を否定する人々は、競争は優勝劣敗と格差を生み、敗者を傷つけると非難します。が、その半面、競争の否定は、実力の否定でもあります。誰に能力や資質があるのかわからなくなりますと、あとは、就職先やポストは、個人的なコネか、運によってしか決められなくなります。

 平等を求めた結果、新たな不平等が生まれることは、よくあることです。運やコネが物をいう社会よりも、実力が正当に評価される社会の方が、はるかに活力あって公平なのではないかと思うのです。

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