時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

経済界出身の中国大使は国益を損なう

 民主党政権において、中国大使に伊藤忠商事の相談役を務めた丹羽宇一郎氏を起用することが決定されニュースは、内外に驚きをもって伝えられたようです。しかしながら、政治と経済とでは、しばしば利益が相反することを考えますと、この人事は、国益を損なう可能性が高いと思うのです。

 先日の新聞にも、伊藤忠商事が、中国において農業ビジネスを始めるとする記事が掲載されていました。毒入り餃子事件以来、中国産の食品に対する国民の信頼は低下しており、こうした中での中国進出と農業ビジネス展開には、何らかの利権が動いていそうな気配があります。食品の原産地表示を”外国産”とすることを許可する法律改正が、厚生省で検討されているというお話もネット上には見え、この点も心配なところです。

 中国大使が、赴任国と利権で結びついていることは、どの角度から見ましても、望ましくないことは明白です。東シナ海のガス田や尖閣諸島を守り、さらには、覇権主義的な中国海軍の行動を抑えるに際して、融和的な政策をもたらすかもしれません。民主党政権は、中国大使の起用について、国民に対する説明責任を負っていると思うのです。

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