時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

千葉法相の死刑執行拒否―公職と信念は二者択一

 先の参議院選挙における千葉法相の落選の原因は、氏が、法相としての適格性に欠けていたことにも原因があります。何故ならば、法務大臣が、法の執行を拒否するという前代未聞の事態が発生しているのですから。

 千葉法相は、死刑制度廃止という、個人的な信念を貫くために、死刑の執行を拒否しています。しかしながら、閣僚の個人的な主義主張によって、法の執行を停止できるとなりますと、あらゆる政策分野において、閣僚の”個人的な信念”が、国家の秩序を壊してしまいます。例えば、防衛相が、軍隊不保持の信念は絶対に曲げない、と言い張れば、自衛隊の活動そのものが停止してしまいます。また、国土交通相が、個人的に主張してきた核廃絶の立場を守ろうとすれば、原発の建設や平和的利用の研究も滞ってしまうかもしれません。

 公職にある限り、私よりも公が優先されることは当然のことであり、公よりも私を採りますと、国家権力の私物化と職務怠慢という問題が発生します。千葉法相は、自己の信念を貫きたいならば、大臣の職を辞すべきなのではないでしょうか。

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