時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

小沢氏は司法権を握りたい?

 小沢氏の政治資金規正法違反の疑いに対しては、検察審査会の判断が待たれるところですが、「起訴相当」とされたとしても、議員を辞職するつもりも、党を離れるつもりもないそうです。その上、あろうことか、首相の”最高裁判所の判事の任命権”にまで言及したところをみますと、起訴相当を覚悟したうえで、今度は、裁判所を脅しているとも受け取れます。

 確かに、最高裁判所の判事の就任に際しては、内閣に指名権はありますが、司法の独立を維持するための工夫がなされているため、首相の勝手になるものでもありません。最高裁判所の判事の定年は70歳と定められており、欠員がなければ補充されませんし、任期中は、弾劾や国民審査以外の手段で職を追われることもありません。つまり、小沢氏のように、政治家でありながら、自らを法の外に置くために司法権を掌握しようとする人物が現れることを予測して、それを防ぐ仕組みが設けられているのです。

 権力分立の意義を理解せず、むしろ、それを壊そうとする首相の誕生は、国家的な危機でもあります。危機を脱するために小沢氏を、という声も聞こえますが、小沢氏の存在自体が危機なのではないかと思うのです。

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