時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

遅すぎた中国製450品目の関税上げ

 これまで、我が国は、中国製品に対して、途上国向けに設けられていた特恵関税制度を適用してきました。中国の経済大国化に伴い、この優遇措置は撤廃され、今後、450品目で関税率を上げるそうですが、この措置、遅すぎたのではないかと思うのです。

 中国は、2001年12月に晴れてWTOに加盟し、自由貿易体制の一員となりました。この時点で、中国は、他の加盟国と対等な立場において貿易を行う義務を負ったのであり、同時に、日本国政府が、特別に中国製品を優遇する理由もなくなりました。むしろ、WTO加盟後も元安政策やレア・アースの輸出規制など、不公正な貿易を行う中国に対する優遇措置は”もってのほか”であったはずなのです。ようやく、日本国政府も、重い腰を挙げて優遇措置から中国を外すことにしたそうですが、この間、この制度によって不利益を蒙った人々もいたことでしょう。

 安価な中国製品の流入が止むことで、国内産業が息を吹き返すかもしれませんし、あるいは、この制度の真の受益者となるべき途上国からの輸入が増えるかもしれません。消費者物価の上昇を懸念する声もありますが、ここは、プラスに評価すべきなのではないでしょうか。

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