時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

メア氏発言―国民性や政治文化の分析は差別ではない

 アメリ国務省の日本部長であるメア氏の発言が、日本や沖縄に対する”差別”として非難を受けているそうです。自国の国民性や政治文化の特徴が批判的に指摘されることは、確かに、愉快なことではありません。しかしながら、それが、外部の視点からの率直な意見であるならば、傾聴にあたいすると思うのです。

 氏の発言の中には、日本の和の文化は「ゆすりの手段に使われる」とのフレーズがあるそうですが、ある一面、そのような解釈が成立する余地があります。日常でも、和の尊重を盾にとって、理不尽な要求を受けたり、不正を見逃すように暗黙の圧力がかけられる場面はあるものです。多くの日本人もまた、こうした側面があることに気づいているはずです。欠点を指摘されたり、そう理解されても仕方がない面がありながら、差別として言い立てることは、いささかヒステリックですし、外部から指摘されて、初めて気づくこともあるのです。もし、この発言に不満や誤りがならば、丁寧に説明し、誤解を解くよう努力をすべきです。

 この件では、差別と言いたてる姿勢が、どこか”日本的”ではなく、かつての日本国は、自国に対する批判的な発言に対しては、寛容であったはずです。また、日本人も、外国について、その国民性や政治文化について、同様の発言をしています。こうした国民性や政治文化に対する分析や意見を封じてしまいますと、美辞麗句だけを並べあう関係となり、真の意味での相互理解から遠のいてしまうのではないでしょうか。

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