時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

早急な被災地の産業復興を

 千年に一度と言われる大津波により、太平洋に面した町や村は、大きな悲劇に見舞われました。三陸沖は、我が国でも有数の漁場であり、漁業や水産物加工で栄えてきたのですが、その町や村が、一瞬にして壊滅してしまったのです。

 政府は、被災された方々を集団疎開させたり、仮設住宅を建設したりと、まずは、住民の方々の生活の保障に取り組んでいるようです。その一方で、同時に進めるべきことは、被災地の産業の復興なのではないかと思うのです。職場がなくては、住民の方々は、将来の生活に対して不安を抱かざるを得ません。漁業の場合には、水産物という天然の資源がなくなるわけではありませんので、漁船といった最低限の設備さえ使えるようになれば、すぐにでも経済のサイクルは回り始め、小売やサービス業など、他の職業も再開することができます。漁船が失われている場合には、政府や漁業組合などが、全国の漁港に働きかけて、余剰の漁船の貸し出しや売却などを依頼し、地元の市場が閉鎖されている場合には、政府、あるいは、他の漁港が、被災地の漁船の水揚げを許可すれば、漁業の早期再開は夢ではありません。

 復興プランに基づく本格的な街づくりが始まるまでは、仮設になるかもしれませんが、被災地の産業を立て直すことは、復興の第一歩です。職場と生活の両面の見通しがついてこそ、被災された方々も、将来に希望を見いだせるのではないかと思うのです。

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