黒岩神奈川県知事に唖然

　神奈川県知事に就任したばかりの黒岩知事は、スピード感を出したいためにか、さっそく、太陽光発電の推進政策を打ち出したそうです。ところが、この政策、内容を読んでみますと、唖然とせざるを得ないのです。

　何故かと言えば、全世帯に無償で太陽光発電施設を設置する、というのです。太陽光発電の設置費用が高額であることが普及を遅らせる原因とも指摘されてきており、一般家庭用ですと、およそ２５０万円ほどの負担となるそうです。新聞記事によりますと、設置可能な２００万世帯を対象に、ということですので、５０００億円の予算を要します。無償という言葉に魅了される人々もいるかもしれませんが、これは、県の予算から支出されます。昨年度の神奈川県の財政は、歳入が１兆７７６３億円あり、６４億１４５９円の黒字であったそうです。夏までに予定されている５～１５万戸分の設置費用であっても、昨年度黒字分では、到底費用は足りません。今年は、税収も低迷しそうですので、費用を捻出するには、既存の予算のどこかをカットするか、赤字地方債を発行するか、あるいは、地方税を増税するしかないのです。

　加えて、設置対象の世帯をどのように選ぶのか、という問題があります。集合住宅に居住する人々は、最初から除外されますし、設置順についても不公平が発生します。また、神奈川県が、独自に太陽光発電を推進した結果、他の東電管轄内の府県の電気料金が上がるとしますと、ここでも、不公平が発生します。このように考えますと、技術開発の途上である太陽光発電に傾斜するよりも、東海地震や東南海地震への備えの方に、予算を割くべきなのではなのではないでしょうか。黒岩知事は、太陽光発電という、新たな利権を造り出しているとしか思えないのです。

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