時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

AKB48現象―本物の若者文化なのか

 先日、新聞紙上などAKB48の”総選挙”が取り上げられたため、アイドル・グループのビジネス・モデルがあることを知りました。CD販売と”総選挙”の投票権や握手権とを組み合わせた手法らしく、若年層に人気とのことなのですが、この現象は、時代の先を行く、本物の若者文化なのでしょうか。

 もちろん、ファン層は、若者、特に青少年層なのでしょうが、実のところ、この手法、”おじさん文化”ではないかと思うのです。仕掛け人は、秋元康氏とのことであり、氏の年齢は、50代とのことです。これまでの若者文化とは、音楽や絵画などの活動を通して、既存の価値に挑戦したり、新しい何かを創造したり、それを世に問うなかで生まれてきました。その主たる担い手は、若者自身であり、爽やかさ、斬新さ、あるいは、柔軟で自由な発想あってこそ、人々を惹きつけてきたのです。しかしながら、AKB48に見られる若者文化とは、”おじさん”が、若者向けにアイドルを商品化し、年若きうちに”水商売”的な感覚に馴らされているように見えるのです。しかも、一般の若年の女性層は、このビジネス・モデルから排除されてもいるのです(女性ファンはいるのでしょうか・・・)。

 こうした現象は、もしかしますと、我が国の文化創造力や発信力が衰退してきている兆しでもあるのかもしれません。若者には、”おじさん”主導ではなく、自らの力で文化を築くという気概をもっていただきたいと思うのです。

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