時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

時間まで支配したい菅首相

 昨日、政府が作成した福島第一原発廃炉までのスケジュールが公表されました。最終的な処理まで数十年はかかるとのことで、原発周辺の被災者の方々をはじめ、国民をいたく落胆させることになったのです。

 その一方で、菅首相自然エネルギーに関する時間感覚は、相当にスピード・アップしています。明日に全原発を停止させても、自然エネルギーがすぐにでも代替してくれるような錯覚を振りまいているからです。もちろん、首相自身も、2030年ごろまでにグリッド・パリティが実現することを目標としていると発言していますが、実際の行動は前のめりであり、ストレステストを持ち出して、来春まで、全原発を止めるのではないかと危惧されています。あるいは、代替エネルギーの開発には時間がかかることを承知の上で、意図的に電力不足で国民を苦しめたいのかもしれません。昨日のニュースで、ストレス発散のために、電車の非常ベルを鳴らして逮捕された人の事件が報じられていましたが、このニュースを読んで、真っ先に頭に浮かんだのが、菅首相の姿でした。

 原子炉の処理技術もまた、将来的には新たな処理技術が開発されて、時期が早まるかもしれませんし、自然エネルギーもまた、思ったよりも開発が進まないこともあるかもしれません。管首相は、自己に都合がよいように、時間までも支配しようとしているように見えるのです。

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