時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

雇用vs.脱原発の構図に

 脱原発を主張する人々は、とかくに、脱原発vs.節電の構図で、賛成派を増やそうとしています。節電し、自然な生活に戻れば、脱原発は可能であると。しかしながら、最も深刻な二者択一は、雇用vs脱原発の構図なのではないでしょうか。

 社会主義運動家の人々は、口を揃えるようにして、原発反対を訴えています。ところが、原発が停止されて最も困るのは、職を失う人々なのではないでしょうか。脱原発派の人々からしますと、雇用の喪失は、原子力産業に留まるから構わない、ということなのかもしれません。しかしながら、現実には、電力不足と高い電力料金を嫌い、製造拠点を海外に移す一般の企業が増えているのです。つまり、脱原発を支えている人々が、この政策によって、最も打撃を受けることになるのです。にもかかわらず、労働組合を支持母体としている民主党もまた、脱原発を強引に推し進めようとしているのです。

 政府やマスコミなどは、脱原発に正義があるというスタンスにありますので、脱原発に反対することには、勇気がいります。しかしながら、予測される悲劇を回避するためには、脱原発によってもたらされる失業のリスクについても、国民に対して誠実に情報を提供すべきと思うのです。

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