時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

不安な韓国の電力事情―日本企業誘致への疑問

 東日本大震災を契機として、日本国は、全国的な電力供給不足に見舞われることになりました。超円高に加えて、今後は、さらに電力料金の値上がりが起きそうであり、これをチャンスとはかりに、韓国政府は、積極的に日本企業の誘致に動き出しているそうです。

 韓国側は、企業への拠点移転を勧誘するに際して、セールス・ポイントとして、豊富で安定的な電力供給、安価な電力料金、ウォン安による輸出メリット・・・など挙げてるそうです。しかしながら、韓国の電力事情が、それほどまでに良好ではないことは、昨日の大停電の発生で明らかとなりました。通常の予備電力は、400万キロワットしかなく、気温の上昇でエアコンの使用が増加しただけで、消費量が供給量を上回ってしまったのですから。もし、日本企業が、大挙して韓国に製造拠点などを移転したら、どうなるでしょうか。電力使用量の多い企業ほど、海外移転を検討しているのですから、移転が実現すれば、当然に、韓国国内での使用量は大幅にアップします。その結果として予測できることは、今度は、韓国において、深刻な電力不足が発生することです。

 このように考えますと、巨額の投資をして移転しても、少なくとも電力供給の安定性の面からは、メリットがないかもしれないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>